日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

Today's Song“Lose Yourself”EMINEM
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『8mile』、もうすぐ公開ですが、
仕事の関係で、試写で見せていただきました。
まあ、これからの公開なのであんまり深くは書きませんが、
いろんなメディアで紹介されているように、
一般的にいう「アメリカン・ドリーム」をテーマにした映画ですね。
エミネムの自伝的映画、ともいわれてますけど、
まあ、今のアメリカで成功してる人たちっていうのは、
たいていはどん底から這い上がった、という背景があると思うので、
とりわけ新しいっていう内容ではないですが。
でも、青春映画として、良い映画だと思いました。
あとは、やっぱり主人公がラップ・アーティスト、ということがポイントで。
私もそんなにヒップホップには詳しくないですけど、
純粋に、ラップ・バトルのシーンでは「かっこいい〜」と思いました。
よく、「ラップなんて、単なる“俺様万歳”だったり相手をこき下ろすだけのもんじゃん」と言う人もいますけど、
この映画には、そういうヒップホップの背景みたいなものもちゃんと描かれてる気がして。
世間は黒人に風当たりが厳しくて、貧しくて、本当にどん底みたいな生活。
社会や誰かに対して暴言のひとつも吐きたくなるというもので。
要は、日本の酒場にもいる、いろんなことがうまくいかずに酔って
クダ巻いてるおっさんたち、みたいなもの?
それを、ただ文句言うんじゃなくて、リズムに乗せたり韻を踏んだり、
エンターテインしてみんなで共有して楽しめるようにした……ってことなのかしら?……と。
私が思い出したのは、日本の「五木の子守唄」。
あれも、お金持ちの家にお手伝いに出された少女が、
ご主人の子供をあやしながら歌った恨み節にも近い内容だけど、
きっと同じような境遇の人たちが共感して歌い継いで、
今まで残ってきたんだろうな〜とか。
やっぱり、「音楽」って、どんな国でもどんな時代でも、
人を支えてきたのかもしれないですねぇ。
……と。
思いがけず壮大(?)な話になりましたが(苦笑)、
『8mile』はほんと、エミネムとかヒップホップに興味なくても
見て損はないのでは。
これで、日本でのヒップホップのイメージもちょっと変わっていくといいいのになー。
(まあ、実際の映画でのライムはかなり“口汚い”ものなので、好きずきはあるだろうけど……)