日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

ちくちく。

永遠の出口

永遠の出口

何かの書評で取り上げられていたのをみて、
本日購入&読了。
ちくちくと、胸の奥を突つかれる感覚。
ひとりの少女の、小学校〜中学校〜高校という日々の中での
1エピソードを1短編として、全9章。
友達、学校生活、家族、恋……
少女は、たくさんのことを経験し、感じ、考え、人間として成長して行く。


女の子なら、誰しも似たようなことを経験してきてる事柄が詰まってます。
おそらく、主人公の“紀子”は私よりいくつか年上、といった設定でしょうか。
(小学生時代に、たのきんがアイドルだった、というところから)
ほぼ同じ時代を成長してきたこともあって、すごく共感と言いますか……
……イタイ。
いろんなところが(笑)。
でも、その語り口や描写がすごく良いのです。
デティールがちゃんと描き込まれていて、
すんなり“あの頃”に入り込めるというか。
特に過剰なノスタルジィを誘うわけでもなく、
だからといって完全なフィクションとして割り切ることもできない、
絶妙な温度感。
自分のアルバムを眺めているようで、でもどこか客観しているようで。
すごく、読んでいて楽しかったです。
著者の森さんは、もともとは児童作家ということなので、
特にそういう“描写力”というものに長けているのかも。
しかし、私はあんまり成長してない気がするなぁ……
それはどうなんでしょうか……