日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

奇跡的人生

本格的に寒くなりました。
あまりエアコンは使いたくないので
ホットカーペットだけで頑張ってるんだけど、
朝はそろそろ厳しいなぁ。


今日は、世田谷線に揺られて
エミール・クストリッツァライフ・イズ・ミラクル』を観に行く。
下高井戸シネマは、実は密かに好き。
私が観逃した作品をたいてい上映してくれるってこともあるし、
所謂、二番館って言っていいのだろうけど、
雰囲気がちょっと上品な感じで(笑。
(いや、三茶にある場末感漂いまくった二番館も好きですけど)
近所の映画好きなご老人方が楽しんで通ってる雰囲気が素敵です。
今日も、左隣の老婦人はコロコロと笑い声をあげてらして。
右隣の紳士は、途中で鼾かいてたけど(笑。

クストリッツァは恥ずかしながら、初めてちゃんと観たのです。
パルムドール常連、とか“欧州の巨匠”的なイメージで
勝手にこれまで避けてたんですけど、
「ほんとすみませんでした!」って感じです…。
なんていうか、すごく上手だなぁ。流石。
画面の美しさはもちろん、
その導入から、人間ドラマも、メタファーも、笑いも、音楽も、
メッセージも、展開も、ラストまで。
全部が全部、なんていうか、“映画!!!”って感じで。
細かいネタがちりばめられつつ、解りやすい物語、
そして色々考えられるテーマ…。
明快で可笑し味たっぷりなのに、読み解く楽しさもある。
うーん、満喫しました。
これから、彼の旧作も観なくては…。

先日観たアンゲロプロスの『エレニの旅』も、
バルカンで戦争が背景にあった作品だけど、
あちらがどこまでも美しく、人生の悲劇を “まさに悲劇”として
描ききってるのに対して、
ライフ・イズ・ミラクル』は、喩え悲劇的な背景の中にあっても
“人生は誰にも等しくあるもの”って描いているような気がして。
なんていうか、ちょっと元気でました。
寒波は来てるけど、心はなかなか、暖かいぞ。
(多分、その後、想い人からメールが来たことも影響してると思われ/笑)