日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

表裏一体

ポール・ハギスの初監督作品『クラッシュ』を観てきました。


人種の坩堝LAを舞台に、人々が交錯する。
皆、さまざまな事情を抱えていて。
さまざまな差別や偏見に曝されて。


どうにも、人生は儘ならない。
けれども、生きていく。
時に、ぶつかりあったり触れ合ったりしながら。


なんていうか、もう単純に、すごく良い映画でした。
やはり脚本が良いのだと思います。
いくつものエピソードが重なり合い繋がっていく手法は
とりわけ珍しいものでもないけれど。
心が軋むようなエピソード、心が温かくなるようなエピソード、
そのバランスも絶妙だし緩急もついてて飽きないけれど、
だけど「うん、こういうことあるよね」と思わせられる説得力がある。


善悪なんて、そんな簡単には割り切れなくて。
ある一瞬、その、一瞬。
どうにもならないこと。
たぶん、誰にでも降りかかってくること。
ああ、
なんて人生は儘ならないんだろう。