日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

喪失過程絵巻


『40歳の童貞男』観て来ました。
アメリカ公開中から気になっていたんだけど、
「どうせ日本じゃDVDスルーだろうなぁ」と思っていたところ。
おっとびっくり、公開決定!
が。
都内1館、おまけにレイトショーのみ...
まあ、仕方ないかなぁとは思いますが。
実際、アメリカのバカコメディは好きですが、
なかなか劇場まで行って1800円払おうとは思わないもの*1



タイトルがアレなので、まあ、第一印象アレだと思いますが(笑。
至極まっとうな、“アメリカ的コメディ映画”でしたよ。
まあ、下ネタ多めでしたけど*2
私も言うほど、アメリカ的コメディをたくさん観ている方だとは思わないけれど、
これまでの経験から、私の中でのアメリカ的コメディ映画とは。


アメリカのコメディ映画=
わかりやすいちょっとエエ話を下らないギャグでコーティングしたもの


……これだけ。
ストーリーはわかりやすく!(ちょっと目を離しもついてける!)
テーマはたいてい“コンプレックス”!(ほら、誰でも感情移入!)
オチはハートウォーミング! 大団円!(ハッピー! イエー!)
で、コテコテで胸焼けするくらいのおバカなギャグを散りばめる!*3
はい! 一丁上がり!*4



そして、この『40DT』もまさに、その黄金の方程式に則った映画で。
※以下、ネタバレ恐れアリ。
要するに。
ティーンの頃にひょんなことから喪失機会を失い、
女性にちょっと恐怖心すら覚えちゃった主人公。
趣味の世界に没頭! 真面目にお仕事!
お金稼ぐ→趣味に投じる! いいじゃん! それだけで楽しいじゃん!
でも自分世界構築しすぎで、どんどん女性縁遠く! おまけに友だちもいなくなる!
→とあるきっかけで同僚に童貞バレ。
→彼の“卒業”を手伝おうと、同僚張り切る!(→友だち出来た?)
→とりあえず、ひとりの世界から外に出る(→ちょっと社交的に)
→主人公、実は普通にイイ奴だと認知され始め(→主人公ちょっと自信回復)
→「ちょっといいかも」と思える女性に出会う!(→頑張る気になる!)


要するに「オタクだって思われてたのは、実は自分が閉じてたから」で、
前向きになって頑張れば、きっと君の本当のよさをわかってくれる人に出会えるさ!
(そして、それにはマヌケな愛すべき友だちも必要さ!)
……という、ほんと、アタリマエなお話@アメリカ風味。
基本はピュアなラブ・ストーリー。
それを「脱・童貞ネタ」という“ヒネリ”で観せていく。
だから主題は、あんまり“ソコ”にないお話のような気も。
なので却って、過剰にそのネタに期待してくとがっかり?かも。
あとは、主人公が“40歳”ということで、
彼の青春期だった“80年代”へのオマージュ(は言いすぎだけど、それっぽい“匂い”)とか
ちょっとしたコネタとか(バス&トラックの広告ネタなどなど)、
そこかしこに「おっ」というネタもあって、それはそれで面白かった...かな。
超余談として。
個人的には、なんか、少女漫画読んでる気分になりました。
まあ、少女漫画では良くあるネタっちゃあネタですもの、ロスト・ヴァージン。
(っていうか、アメリカのティーン向けコメディでも定番、でしょうかね)
ただまあ、それが40歳のオヤジになったところが新しかったというか、
目の付け所が良かった!ということなのかな。
そこがアメリカでも受けた要因だったのかな。そうかー。



あ! 山場でアンディが彼女に言ったキメ台詞は、
個人的には、かーなーり! グッと来ましたよ!(笑
いやほんとに!
現実に言われてみたい....かどうかは、別にして(笑。


とりあえず、アメリカン・コメディ好きとしては
劇場で観れて良かったなーという作品でした(笑。
上の台詞が気になる方は、まあDVDになってからでもご確認下さいませ。

*1:が、そもそも滅多に劇場公開されないわけだから、そんな経験する機会も少ないわけで。ハテサテ。

*2:でもアメリカのコメディで下ネタって普通ともいえるかな...

*3:たまにおまけとして、上手いこと伏線ネタ張ってあったり、マニアなネタが散りばめられてたり

*4:米国で有名なコメディ俳優が主演や製作にかかわっていると尚良し