日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

だけど、生きていく


トレイラーを目にして半年、やっとサムサッカー観ました。

参考:id:akimi:20060524



地方の、のどかな住宅地。
家族はあたたかく、とても、普通。
なのに、ジャスティンは高校生になっても“親指しゃぶり”がやめられない。
“ふと”襲ってくる、もやもやとした不安。
漠然としたコンプレックス。
何にも、集中できないし。
なんだか、焦燥感もあったりするし。
そんな時に、ソレを吸えば、ちょっと落ち着く。
だけど……さすがに自分でも、マズイ。
と、思ってる。
両親も、こんな自分を気にしてる。
こんな日々を、ジタバタしながら過ごしてる。
「……大切なのは?」



とても、とてもわかりやすい少年の成長譚。
スパン!と、キー的な人物が、
まんま「キーワード」を喋ってくれるし。
だけど。
ささいな日常の、ありきたりな風景。
その、描写。
この映画は「ハマる人はハマるし、“どうでもいい”と思う人にはどうでもいい作品」
……な、気がする。
私は、もう、どストライクにハマってしまいましたが(笑。



どうしようもなく平穏な毎日。
のどかで善良な風景とひとびと。
きっと、自分はとても恵まれてる。
だけど、「ここから抜け出たい」とも思う。
「ひとかどの人物」になりたい、なんて、無謀にも思ったりして。




嗚呼。
いつかどこかで、確かに味わった感覚。




少なくとも、私は観れて良かった。
こんな“いい大人”になったのに、
こういう映画に異常に感情移入するのも、どうかと思うけれど。
結局、年齢だけは重ねたけれど、
私はいつまでも“子ども”だってことなのだ。
だけど、こんな毎日を生きていく。
そして、一緒に観た親愛なる人も、
やっぱり、すごくすごく感情移入していた(笑。
ああ、なんて似たもの同志な私たち!