日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

ありきたりだとしても

マーク・フォースター監督、ウィル・フェレル主演『主人公は僕だった』鑑賞。


→公式サイト(リンク先、ちょっと重い&音出ます&“STORY”項はネタバレし過ぎ)



ちょっと石原良純に似てるけど!、私は大好き!なウィル・フェレルがシリアスな人間ドラマ出演!ですよ。
おまけに、良作佳作揃いのマーク・フォースター監督作...
ということで、公開、楽しみにしてました。
そして、期待以上に好きな作品でした。
(以下、ネタバレありなのでご注意)


あらすじは。
国税庁職員でカタブツのハロルド。
規則正しく単調な日々を過ごしつつも、それに不満さえ感じたことも無かった彼。
ところがある日突然、変化が。
彼の行動や思考を洗練した表現でナレーションする女性の声が、頭の中に響き始めたのだ。
果たして、この声は、一体?


一方、作家カレンはスランプに悩んでいた。
現在、執筆中の物語の主人公”ハロルド”をどうやって殺そうか?と。
彼女は、必ず最後に主人公が死んで終わる悲劇作家。
最新作を完成させなければ...
そして、カレンのペンが進む。
「...この行動が、彼の死を招こうとは。」
そのフレーズが、ハロルドの頭の中にも響く。驚愕するハロルド。
「...僕が、死ぬ?」
交錯する人生。
時間の上を流れるリアルなひとりの男、
そして、紙の上、フィクション上のひとりの男。
それが、実は、全く同じものだったとしたら?

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自分の人生が、どうやら誰かの手によって「書かれている」と気づくカタブツ男。
彼が、“死”の存在を前に、あがき、
「自分の人生」を新たに描き直そうとする物語。
当然ながら”映画的”で荒唐無稽な設定だけれど、どうしようもなく胸に迫る。
日々、流されている自分の生活を思わず省みる。
たとえ、誰かの手によって書かれていなくても、
明日、いや、次の瞬間。
自分にも死は訪れているかもしれないし。
“自分らしく、自分の思うままに生きること”の難しさと、それ故の楽しさ、美しさ。
妙に胸に迫ってきて、思わずじんわりと泣いてしまいました(笑)。
「別に”傑作”ほどじゃなくて“まあまあ”程度でも、自分で求め、動く人生は素敵」
そういうことだ。
うーん、いいな。


あとは。
ハロルドと恋に落ちるマギー・ギレンホールが魅力的でした。
これまでは、あんまりこの人を「可愛い」とか思ったことなかったのだけれど、
この作品の彼女はキュートだ!
彼女演じる女性は、
ギターで弾き語るハロルドを目にして、まんまと恋に落ちちゃうわけだけれど、
その気持ちは、ものっすごーく!よく解るよ!(笑)
ギター弾いてる男の姿は3割増!(笑)(はいはい、莫迦ですみません)