日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

芸術と娯楽?

横浜トリエンナーレ
行ってきましたよ。

トリエンナーレ(3年おき開催)”なのに、
前回から4年経ってしまいましたが。

どうやら、色々あったみたいですけれども。

でもまあ、観る私には、あまり関係なく(笑)。



“アート”をあまりにお祭り的に扱ったり、
エンタメ性を強く出すのもどうなの?みたいな

意見などもろもろ、あるようですが。

私のようなお気楽門外漢にとっては、

こういう“気軽にたくさんのアートに触れられる機会”は

やはり嬉しいものです。

ということで、喜び勇んで足を運んでみました。

たぶん1回では全部ちゃんと見切れないだろうと思って、

太っ腹(?)にもフリーパスなんて買っちゃって。



会場は、山下埠頭の一番先。ふたつの倉庫。

山下公園にあるメイン・ゲートから、

この会場までを繋ぐのが、上の写真、ビュランの手によるエントランス。

天気が良くて、程よい風が吹いて、旗がはたはたとはためいて。

おそらく「日常」と「非日常」を繋ぐ記号、ということなのだろうけど。

ただ、脇の倉庫は絶賛稼動中で、どうにも現実に戻されちゃったりして(笑)。

と、いうのも。

……何しろ、このエントランス、長い!!!!!!

1キロ弱、徒歩で約10分ほどあります。

この日は夏が戻ってきたような暑さだったので、いきなりちょっとバテました(苦笑)。

会場も、さすがに倉庫2棟となると、結構なボリュームで。

ということで、この日は、展示もざっと流してみるだけに留め。

(フリーパスも持ってることだし!)

一応、一番のお目当て?だった、フランスのアート・サーカス“エトカン”を楽しみにすることに。

ちなみに、エトカンの整理券は「10時」と「16時」に配布、となっていたのだけど、

私は普通に、その合間の時間に頂けてしまいました。





エトカンのサーカス用トラス。結構大規模。






元町でゆっくりお茶して休息をとり、18時半ごろ、会場へ。

結構、たくさんの人たちが待っていました。

なんというか、このサーカスに関してほとんど情報がなかったのと、

目の前にそびえる装置がとても大規模なので、徒に期待を煽られつつ。

当日配られたパンフレットに折り込まれていたチラシを読む限り。

ダニエル・ビュランが手がけた装置と、

“エンタメ性を薄くしたアート性の高いサーカス芸の融合”ということらしい。



で、実際に観た感想としては。

「思っていたよりは、オーソドックスだった」かなぁ?

中途半端な感じ?というか。

確かに装置は手が込んでいるし、演出もアート的なのだけど。

でも、実際の演技は、結構、オーソドックスでした。

わざわざチラシに謳っているように、

クラウン的なエンタメ性を背負ってる狂言回しは居ないので

ひたすら淡々と演技が続いていって。

正直、あんまり盛り上がれなかった(苦笑)。

目の前で繰り広げられてるのは、

“生身の人間が訓練した末、身に着けた芸”なのだけど。

どうも、こっち(観る側)とあっち(演者)の温度が離れすぎてる。

多分それは、舞台装置も含めた“アート性の高い”と謳った演出のためだったのだとは思うけれど。

実際、演目も少なくて「えっ、もう終わり?」といった感じ。

こちらが盛り上がるスキマが測れない、というか。

“鑑賞するもの”? それとも“楽しんでよいもの?”という迷いが、何故かありました。

なんていうか、事前に、あまりにも仰々しく提示しすぎ?っていうかね。

観る側に、妙に気構えさせる雰囲気があったなぁ。

なのに、実際の芸は、とてもオーソドックスだったものだから。

人によっては落胆(?まではいかなくても、ちょっとガッカリ)したかもしれないです。

確かに、

「サーカスって、ピエロが玉に乗って、動物が曲芸して」っていう日本での一般的なイメージとは違う

“こういうサーカスもあるんですよ”ってひとつのケースを提示したかったのだろうけど。

だからといって、

あの場にいた人たちが持ってる「一般的なサーカスのイメージ」を覆せるほどのインパクトを残せたか?

っていうと、ちょっと厳しいんじゃないかなぁ、と。

(もちろん、「こんな演出で見せるサーカスもあるんだ!」って思った人も居たとは思うけど…)



というか、今回私は、エトカンの公演が最初の4日間だけと知って大慌てしてしまって。

てっきり、会期中はずっとやってるんだと思っていたので。

多分、本当に会期中ずっと公演をやっていて、たくさんの人たちがもっと気軽にエトカンに触れたら、

“アート的なサーカス”っていうものも、もう少し観に来た人たちの印象に刷り込まれただろうとは思うので、

ちょっと、それが残念です。

(どうやら、来ることさえ最初は危ぶまれてたみたいなので、なんとか4日間やれた、って感じだったのかもだけど)





何にせよ。

まだロクに作品を観れていないので、

しばらくしたらまたリベンジ!しに行こうと思います。

履きなれた&脱ぎ履きしやすい靴で(笑)。

(靴を脱いで参加できる作品も結構多かったので、脱ぎ履きしやすい、もポイント!)

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