至極単純
金井美恵子の『文章教室』を
ここのところずっと読んでました。
大雑把に内容を言うと、
普通の主婦が、タイトル通り文章教室に通うお話。
その主婦を取り巻く人たちそれぞれの、人間模様。
- 作者:金井 美恵子
- メディア: 文庫
いやもう、苦々しく痛々しく。
なんていうか、身に覚えがある瞬間が多くて、身悶え。
主要登場人物たちの“ダメなところ”が、
自分で自覚してる、自分自身のダメなところに
がしがし重なってくるのですよ。
でも、だからこそ、とっても面白くて、
微妙〜な気分になりながら、読了。
中途半端に自意識ばっかり高くって。
どこまでも、自分本位な思考回路を持って。
どこまでも、視野が狭く、でも非現実方面には広大な視界。
なんとなーく、それっぽい会話をしてみたり。
なんとなーく、感情だけで流されてみたり。
打算やら駆引きやら妥協やら、何やら。
たぶん私だけじゃなくて、きっと誰もが持ってるダメな部分。
そんな部分を、ほんのちょっとの、でも確かな悪意でもってデフォルメ。
そこに作者の愛情なんてあるのかい?
少なくとも、私には感じられなかったけれど(苦笑)。
だからかなり、金井美恵子という人は辛辣な人なんだろうなぁ。
でも、私は好きだ。うん。
加えて、ついでに。
とても単純な私としては、
「言葉を綴ること」ということに対して、
私自身、改めて考えさせられてしまいました。
うーん、私は全然知識と技術が足りてないなぁ。
もっと色々吸収したい…。まだ間に合うかしらん。