日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

日出づる国に昇って沈む

お休みをもらえたので、念願だったソクーロフの『太陽』を観に行く。
平日の午前中なのに、そこそこの入りで、年配の方も多く。



この作品を作るのにどれだけの資料にあたったのか、とか、
史実との一致とか、その辺に関しては。
私があまり明るくない上に、
例によって私はパンフレットを買わないのでわかりませんし、
そこに私が触れなくても、
数多あるメディアやブログで触れられてると思われるので書かないですが。
(でも、興味あるのでのちのち、個人的に色々調べようとは思ってます)
単純に、ひとつの映画作品として、とても素晴らしかったです。
いろいろ感じることも多かったし、想いを巡らすこともできて。
ソクーロフなので、やはり画面の美しさは流石でしたし。
(これって「日本」じゃねえだろ、とかいうツッコミ入りそうな画もあったけれど
正直、主題はそこじゃないと思うので...)


とにかく。
昭和天皇ヒロヒト”を、とても愛情深く描いているなぁ、と。
単なる軽い興味関心という程度ではなくて、
深くきちんと理解したい、という想いのもとから描写されている、と。
日本人では、あんな風に彼の人を描き出せなかったかもしれないなぁ、と。
漠然と。
私は昭和生まれですし、
裕仁天皇に関しては、物心ついた時から「人間」として教えられ、
ある程度の親しみを感じていたとは思うのだけれど、
「その人間性」に至るまでは、深く考えたことなどなかったなぁ。
やっぱり変な話、「ただ、そこに居る存在」的な印象しかなかった。
でも、あの方ももちろんひとりの“人間”だったわけで、
そんな当たり前の事実に、こうやって他国の人が手がけた作品を観ることによって思い至り。




彼の人は、何を背負って生き、そして死んだのか。




……あと、イッセー尾形は、やはり凄い役者さんだと再確認。
多少、やりすぎな感もあったけれど、
もともと日本公開以前に、世界公開を前提に作られてる作品なわけだから
あのくらいの大仰さは当然だったのかな、と。
(しかし、基本的に全編日本語という点も、さすがソクーロフ...)



ソクーロフは、これまで『エルミタージュ幻想』しか観れてない!(涙
不勉強!
……なので、これから頑張って観たいと思いますです。はい。
特に独裁者3部作の、のこり2作品を。