日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

解脱は程遠い


東京国立博物館へ『仏像〜一木にこめられた祈り』を観にいきました。


http://butsuzo.jp/


仏像に詳しい訳でも、すごい好き!って訳でもないですが、
昔からなんとなく眺めるのは好きで。
社会の資料集の写真とか、図書室で図録見たりとか。
高校時代の修学旅行でも、結構、お寺の仏像はしっかり鑑賞しましたし。
ただ、一方でみうらさんの『見仏記』流行りとかもあったりして
天邪鬼な私としては、あんまりおおっぴらにはしてなかったし、
突き詰めもしないでここまできてたのです。
が。
この展覧会は、その開催を知った時から興味津々だったのでした。


そんなこんなで。
しっかり満喫してきました...うっとり。
今回は、「一木から彫りだされた仏像」を、 4章のテーマに分けて展示。
有名なものから、初めて目にするものまで。
基本的には奈良〜平安時代のものが中心でしたが、
4章は江戸時代の"円空”と"木喰”という彫氏の作品を展示。
この辺までくると、"仏像”という部分に加えて
かなり作家性みたいなものが強く発揮されていて、ある意味、"彫刻作品”。
そういう意味でも、とても面白く。
さすが仏像、やっぱり奥が深いー。
国博の特別展のわりに、まあマニアックな題材なせいか
そこそこ空いていて、快適でした。
今、展示されているのは“前期”内容で、11月からの“後期”では
また変わってくるようなので、もう1回足を運んじゃうかもです。


とりあえず『宝誌和尚立像』がカッコよすぎた。
“顔を裂いたら、中から十一面観音が!”
…という、 摩訶不思議(?)な像*1
徳を積んでる和尚さんだから、ってことなのでしょうか?
すでに修行が、菩薩になれるところまで進んでるってことなのかな...
いやー、凄い。
自分の内に菩薩が居る!って、どんな心境なのかしら...
でもそこで驕ったらダメなんだろうし。
それすらも超越しなきゃ、解脱はないってことなのかな...


兎にも角にも。
私には悟りを開くなんて到底無理だわー(煩悩まみれすぎて)。
と、しみじみ思った秋晴れの午後。

*1:ご覧になりたい方は上記HPの出展仏一覧からどうぞ