日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

ふたり/ひとり

A2Z (講談社文庫)
山田詠美『A2Z』


昨夜のご飯の時に、Nさんから
「すっごい理想の夫婦像なの!」と熱弁をふるわれ。
そういえば、私、山田詠美好きな割に、最近は全然チェックしてなかったわー、と。
いうことで、お勧めに従って読んでみました。
やっぱり、私はこの人、好きですね。
(ただし、日本人モノに限る……)


お互いに編集者同士の夫婦、夏美と一浩。
ふたりとも、お互いを認めあっており、互いを自分の理解者だと思っている。
そこに、ある日の不協和音。
一浩に、恋人ができたのだ。
そして、夏美にも、新しい出会いが……


なんていうか、とにかく、夏美が良い女すぎですよ。
っていうか、羨ましすぎですよ。
一番大切な人間=夫
女としての幸せをくれる恋人
そして、仕事
この3つすべてを手にできるほどの人間なんて、
現実ではほとんどいないだろうに。
……この物語は、この夏美に共感できるか否か、で
受け止め方は変わってくるような気がする。
私は、そもそも彼女の仕事自体が自分の仕事と同じなもので、
(多少の分野の違いはあるにせよ)
かーなーり、「羨望と嫉妬」を抱きつつ読みました(笑)。
だからやっぱり、すごく夢物語……といった感触。
だけど。
だからこそ。
彼女の物語をとおして、自分にとっての“恋愛と結婚という、夢物語”を
見つめ直す良いきっかけになりました。
自分なりの“夢”を、もう少し追い求めてみようかな、なんて。
とりあえず、あと10年、万一その夢が破れても余裕で立ち直っていけるように、
“自分自身”を磨いていくのが一番大切だな、と。
目指せ! 夏美のようないい女!
……目標は大きく果てしなく(笑)。