日々の泡立ち

泡立っては消えていく言葉の置き場。

咲き誇る花

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

今日はとても良い天気で。
掃除洗濯を済ませて、中山可穂『白い薔薇の淵まで』を読んだ。
この人の作品は、今まで何作か読んできたけど、
やはり徹底的にレズビアンの恋愛小説なのですね……。
(いや、わかってて読んでるんですけどね)
例えば、山田詠美が「どこまでも粋な恋愛模様」だとすると、
この人の作品は、もっとすごくジタバタしていてドロドロで、
ある意味、“女”の情念というか、
“女だからこそ”の恋愛をものすごーく生々しく描いていて。
でも、一方で、
“同性愛”というある意味特殊な世界でもあるので、
“読み手であり、女という生き物である私”にとって、
どこかフィクションとして割り切れるというか、
“小説という読み物の中のドラマ”として、冷静に色んなモノを汲み取れる気がする。
一般的な恋愛小説が、
“男と女”という“前提として分かりあえないに決まってる個々の恋愛”を描いてるのに対して、
“女と女”という、“根が同じモノ同士の恋愛”という題材。
当事者として本当にそんな恋に落ちてしまったら、
実際、彼女の小説のようなものになり得るような気がしてしまう。
……わからないけど。
でも実際、彼女の描く女性(主人公が恋に落ちる相手)は
ものすごーく危うい魅力に満ちあふれていて、
そんな女性に恋をしてしまうのは、逆に男性ではあり得ないと言うか……


“女に愛される対象としての女”。
そんな人物が、明日、私の目の前に現れたら????
……身を滅ぼすような恋。
ちょっと、憧れてしまう。
夢見がちな季節は、もうとうの昔に過ぎてしまったはずなのにね。